大人・チーム・学生向けの感情知能(EQ)ゲーム7選

感情知能(EQ)ゲームは、気持ちに名前をつける、思い込みを疑う、注意深く聴く、反応する前に応じ方を選ぶ、といったことを実践的に練習する方法です。有料アプリも、自信たっぷりに演じられる人が大勢いる部屋も必要ありません。紙とタイマー、いくつかの日常的な場面があれば十分です。以下の7つのアクティビティには、わかりやすい手順、目安の時間、話し合いのための問いを用意しており、大人、職場の社員、10代の若者、学生に使えます。他人の気持ちをどう理解しているかも探ってみたい場合は、共感の自己振り返りツールを別の出発点として使えます。その振り返りは自分だけのものにし、これらのゲームは誰かの感情能力を順位づけるためではなく、具体的な行動を練習するために使ってください。

感情カードを使って練習する少人数のグループ

感情知能ゲームで練習できること

感情知能とは、感情を認識・理解し、その情報を自分の応じ方に生かす力のことです。共感はこれと重なる部分があり、特に相手の経験を考えるときに関わりますが、スキル全体ではありません。

このガイドのアクティビティは、4つの実践的な領域を対象にしています。自分の感情に気づくこと、自分の反応を調整すること、他人の視点を考えること、そして思慮深く伝えることです。これらは整理のための便利な分類であり、完全な評価モデルではありません。

Mattingly と Kraiger による2019年の感情知能トレーニングのメタ分析は58件の研究を検討し、正式なトレーニングが感情知能スコアに中程度のプラスの効果をもたらすことを示しました。ただし、これは以下の各ゲームが同じ結果を生むことを意味しません。これらは教育的な練習活動であり、効果が検証された介入ではありません。進歩は日常の具体的な行動で判断してください。

目的とグループに合ったゲームを選ぶ

まずは練習したいスキルを1つ決めましょう。思い込みに悩むグループと、話をさえぎらずに聴くことを学んでいるグループでは、必要なアクティビティが異なります。

ゲーム主な練習内容目安の時間人数
感情ことば言い換え感情への気づき6分2〜6人
1つの出来事、3つのストーリー視点取得8分2〜8人
事実・推測・質問社会的な気づき8分2〜8人
聴く・言い返す・確かめるアクティブリスニング10分ペア
一時停止して選ぶカード反応の調整8分2〜6人
会話を修復する人間関係のスキル10分ペアまたは3人組
お願いビルダー明確で敬意あるお願い8分2〜8人

時間は目安で、短い話し合いを含みます。人数が多い場合は、全員に部屋全体に向けて話してもらうのではなく、ペアや小さなチームで行いましょう。

どのゲームにも協力的な目標があります。観察を記録する、相手の理解を確かめる、応じ方を書き直す、などです。以下の「達成チェック」はフィードバックの目安として使い、参加者の順位づけには使わないでください。セッションの合間に続けて練習したい場合は、こちらの共感を育てる毎日の習慣も参考にしてください。

プレッシャーをかけずにEQのグループ活動を準備する

参加者はパスしてもよいこと、話す代わりに書いてもよいこと、架空の例を使ってもよいことを最初に伝えます。個人的な体験談、長時間のアイコンタクト、演技、身体的な接触を求めてはいけません。感情の表し方は人や文化によって異なります。静かに参加していることは、共感力が低い証拠ではありません。

予定の変更、返信の遅れ、共同作業など、ありふれた場面を使いましょう。職場で現在起きているもめごとを公開の練習題材にするのは避けてください。書いたメモは本人だけのものにし、性格ではなく行動について話し合います。

誰かが居心地悪そうにしていたら、いったん止めて別の役割や活動を提案しましょう。これらのゲームは教育目的のものです。つらい気持ちが続いている場合は、グループからさらにプレッシャーをかけるのではなく、資格のある専門家の支援を受けるべきです。

手順つきの感情知能ゲーム7選

1. 感情ことば言い換え

練習:感情をより正確に言い表す。用意するもの:紙とペン。

  1. 全員に同じ架空の場面を伝えます。「出かける直前に友人が予定をキャンセルした」。
  2. 各自が大まかな気持ちの言葉を1つ書き、さらに具体的な候補を2つ書きます。たとえば「嫌な気分」は「がっかり」や「ほっとした」になるかもしれません。
  3. 答えを見比べ、それぞれの気持ちがもっともらしくなるにはどんな背景情報が必要かを説明します。

振り返り:あいまいなラベルを具体的な言葉に置き換えると、何が変わりますか?

正解の感情は1つではありません。がっかり、ほっとした、心配、いらいら、恥ずかしい、期待している、といった言葉のリストを示しましょう。年少の子どもは、声に出して説明する代わりに絵を描いたり指さしたりしてもかまいません。

達成チェック:各自が考えられる感情を2つ挙げ、それぞれが当てはまりうる理由を述べる。

2. 1つの出来事、3つのストーリー

練習:さまざまな視点を考える。用意するもの:場面カード1枚。

次のお題を使います。「誰かが説明なしにグループチャットを抜けた」。各チームは、気持ちに余裕がなくなった、スマホのアカウントを変えた、以前のやり取りで気分を害した、などもっともらしいストーリーを3つ考えます。そのうえで、状況をはっきりさせられる敬意ある質問を1つ書きます。

振り返り:最初に思い浮かんだのはどのストーリーでしたか? どんな情報が欠けていましたか?

目的は、あらゆる行動を正当化することではありません。解釈はあくまで仮のものだと気づくことです。「チャットを抜けたのに気づきました。別の方法で様子をうかがってもいいですか?」のような質問で締めくくりましょう。相手が説明したくない場合もあることを受け入れます。

達成チェック:欠けている情報をそれぞれ1つ含む、異なる説明を3つ出す。どのストーリーが正しいかで議論になったら、「まだどれかを選べるだけの根拠はありません」と伝えます。次のアクティビティとは異なり、このラウンドでは別の可能性を考え出す練習をします。

3. 事実・推測・質問

練習:観察と思い込みを切り分ける。用意するもの:3列に分けた紙。

場面を示します。「詳しいメッセージを送ったら、チームメイトから『OK』とだけ返ってきた」。参加者は次のように埋めます。

  • 事実:返信は短い一言だった。
  • 推測:チームメイトはいら立っている、忙しい、あるいは単に簡潔なだけかもしれない。
  • 質問:「この計画で大丈夫そうですか? わかりにくいところはありますか?」

用紙を交換し、推測が事実の列に紛れ込んでいないか確認します。「軽くあしらわれた」は解釈であり、メッセージそのものが観察です。

振り返り:自分の推測をもう少し軽く持っていたら、応じ方はどう変わりますか?

達成チェック:観察できる事実を1つ記録し、2つの解釈を推測として分類し、中立的な質問を1つ書く。このラウンドでは、ストーリーを考え出すだけでなく、根拠を整理する練習をします。

事実・推測・質問を分けた3つの列

4. 聴く・言い返す・確かめる

練習:アドバイスする前に理解する。用意するもの:タイマー。

  1. 1人が、実際のことでも架空のことでもよいので、ちょっとした不満を1分間話します。
  2. 聴き手は出来事を要約し、考えられる気持ちを控えめに言葉にします。「直前に予定が変わって、それはいらいらしますよね。そういうことで合っていますか?」
  3. 話し手は要約を訂正するか、確認します。聴き手はアドバイスする前に要約を修正します。
  4. 役割を交代し、話し手が「わかってもらえた」と感じたのは何のおかげだったかを話し合います。

振り返り:思い込む代わりに確かめたことで、何がわかりましたか?

感情のラベルはあくまで控えめにしておきましょう。聴き手の最初の推測が外れていても、丁寧な質問をありがたく感じる人はいます。

達成チェック:2人とも要約し、訂正をうながす。どちらかが誤解されたと感じたら、もう一度修正する。こちらの場面別の共感を深める質問から、さらにお題を見つけられます。

5. 一時停止して選ぶカード

練習:応じる前に間をつくる。用意するもの:場面カードと紙。

各カードに、予想外の修正依頼を受けるなど、深刻ではない引き金となる出来事を書いておきます。各プレイヤーはカードを1枚引き、とっさの反応と、少し間をおいてから考えた応じ方の2通りの返事を書きます。

たとえば「いつも全部変えるんだから」は、「追加の作業でちょっと参っています。どの修正がいちばん大事で、どの締め切りなら現実的ですか?」に変えられます。

振り返り:ゲームの外では、どんな「一時停止の合図」が使えそうですか? スマホを置く、深呼吸する、送信前に下書きする、などです。

明るく聞こえるかどうかで点数をつけないでください。この練習は、気持ちを表しながら実行可能な行動を選ぶことが目的です。

達成チェック:2通りの異なる返事を書き、その間に使った一時停止の合図を特定する。

6. 会話を修復する

練習:誤解のあとに応じる。用意するもの:短い会話文。

ペアに次のやり取りを渡します。「私に何も言わずに、2人の計画を変えたよね」「そのほうが楽だったから」。具体的な観察、相手への影響を認めること、次の一歩を使って、両方のセリフを書き直してもらいます。

修復の一例は次のとおりです。「連絡なしに計画が変わったので、間違った資料を準備してしまった」。それに続けて「確認せずに変えてしまった。そのせいで余計な作業をさせてしまったね。次にどうするか一緒に決めよう」。

書き直した会話を読むか演じてみて、役割を交代します。3人組の場合は、観察役が性格を評価することなく、何が変わったかをメモします。

振り返り:どちらにも妥当な境界線を手放させることなく、修復をしやすくした言葉はどれでしたか?

達成チェック:書き直した応答が、行動とその影響を認めている。このアクティビティはすでに起きた関係のほころびを扱い、「お願いビルダー」はこれからの取り決めを練習します。

7. お願いビルダー

練習:不満を明確なお願いに変える。用意するもの:細長い紙片。

出来事、気持ち、お願いを書く紙片をそれぞれ用意します。参加者はそれらを組み合わせて1つの文にします。「会議が長引いたとき、急かされている気がしました。最後の5分を次のステップのために取っておけませんか?」

お願いが具体的で答えられるものかどうか、相手役に確認してもらいます。「もっと気をつかって」は行動に移しにくいですが、「計画を変える前にメッセージをください」ならより明確です。

振り返り:相手は断ったり、別の案を出したりできますか?

感情に配慮したコミュニケーションには、交渉も含まれます。先に気持ちを口にしたからといって、お願いが要求になってはいけません。

達成チェック:相手役が求められた行動を特定し、現実的な代案を出せる。役割を交代し、書き直したお願いを試す。

大人・社員・10代・学生向けにゲームをアレンジする

大人には、予定の変更や分担している責任を題材にしましょう。「お願いビルダー」では、相手役に実行可能な取り決めを2つ提案してもらい、そのうち1つを選びます。個人的な例は本人だけのものにしておきます。

社員やチームには、架空の引き継ぎやフィードバックのメッセージを使います。「聴く・言い返す・確かめる」では話し手、聴き手、観察役を割り当て、役職で発言者が決まらないよう役割を交代します。管理職は訂正を受け入れるべきです。個人のメモを集めたり、テストのスコアを求めたり、ゲームでの様子を人事評価に使ったりしないでください。ゲームだけでは、過大な業務量や不公平な手続きは解決できません。

10代や年長の学生には、架空のグループ課題やあいまいなメッセージを使います。ペアで話し合う前にまず自分の返事を書いてもらい、背景情報が加わると解釈がどう変わるかを比べます。実際のいじめを再現したり、クラスメートの名前を出したりするのは避けてください。

年少の子どもには、「感情ことば言い換え」から始めましょう。1文を読み上げ、3つの感情の言葉や絵を示し、子どもに指さしたり、絵を描いたり、パスしたりしてもらいます。書いて説明する活動は、グループの読み書きのレベルに合うまで省きます。教室でのゲームは、オンラインの評価とは切り離しておきましょう。

場面カードを準備する

アクティビティ全体で、次の架空のカードを使えます。

  • 予定の変更:友人があなたに確認せず待ち合わせ時間を変えた。
  • 短い返信:あなたの詳しい提案に、チームメイトが「OK」とだけ返した。
  • 共有の物:誰かが共有のノートを借りて、返すのが遅れた。
  • グループ課題:ほかの人が作業を割り振っている間、ある学生が黙っている。

2回目のラウンドでは、各カードに詳細を1つ加えます。チームメイトは予定と予定の合間だった、黙っている学生はまだ作業リストを見ていなかった、などです。何が変わり、何がまだわからないままかを尋ねましょう。

20分のセッションを行い、シンプルな行動計画を立てる

初回のセッションでは、参加方法の選択肢の説明に2分、「感情ことば言い換え」に6分、「事実・推測・質問」に8分、あとで試す行動を1つ話し合うのに4分を使います。もっと打ち明けるよう急かすのではなく、ペースのほうを調整してください。

次の感情知能の行動計画テンプレートをノートに書き写して使いましょう。

計画の項目例
気づきたい場面同僚から短い返信が届く
名前をつける気持ち不安、またはいらいら
練習するスキル事実と推測を分ける
次の行動中立的な確認の質問を1つする
振り返りのタイミング関連する会話を3回したあと
記録する根拠思い込む前に確かめたかどうか

行動を1つ選び、具体的な例を振り返ります。それが役立ったとき、難しかったとき、そして何を調整するかに目を向けましょう。ゲームのスコアが上がった、答えるのが速くなった、テストを繰り返した結果がよくなった、といったことは、日常のコミュニケーションが改善した証拠にはなりません。

以下のメモは練習のサイクルをまとめたものです。気持ちに気づく、一時停止する、思い込まずに尋ねる、そして起きたことを振り返る、の4つです。

4ステップの感情スキル練習計画が書かれたノート

感情知能ゲームを1つ、日常の会話に持ち込む

いちばん役に立つ次の一歩は、小さなものです。気持ちをより正確に言葉にする、思い込みを1つ確かめる、アドバイスする前に相手の言ったことを言い返してみる。別の架空の場面で同じアクティビティを繰り返し、日常生活で同じスキルを使う機会を探しましょう。

自分の共感の習慣について別の視点が欲しい場合は、自分だけの振り返りの助けとして教育目的の共感テストを試してみてください。その結果は臨床的な評価でも、あなたの人柄の判定でもありません。感情知能ゲームは、あとで見直せる具体的で敬意ある行動につながるときに、もっとも実用的になります。

よくある質問

感情知能ゲームとは何ですか?

感情への気づき、視点取得、反応の調整、コミュニケーションを練習するための、構成された活動です。役に立つゲームには、明確な課題と、そのスキルをセッションの外でどう生かすかについての短い話し合いが含まれます。

大人に向いている感情知能ゲームはどれですか?

「事実・推測・質問」と「聴く・言い返す・確かめる」は、日常的なコミュニケーションを使い、準備もほとんどいらないので、取り組みやすい出発点です。1つのゲームが誰にでも合うと考えるのではなく、練習したい行動に合わせて選びましょう。

感情知能はトレーニングで伸ばせますか?

正式なトレーニングに関する研究では、感情知能スコアが向上しうることが示されています。結果はプログラムや参加者によって異なり、短いゲームは本格的なトレーニングコースと同じではありません。時間をかけて具体的な行動の変化を見ていきましょう。

これらの感情知能アクティビティには特別な道具が必要ですか?

いいえ。このガイドのアクティビティで使うのは、普通の紙、ペン、タイマー、架空の場面だけです。お題や行動計画はノートに書き写せます。これらは教育的な活動であり、効果が検証された感情知能テストではありません。

これらのアクティビティはオンラインでも使えますか?

はい。チャットで架空の場面を共有し、タイマーを使い、参加者には一人で書くかペアで話してもらいましょう。カメラはオンにするかどうかを選べるようにし、個人的な打ち明け話は録画しないでください。「事実・推測・質問」は、テキストの例で特にうまく機能します。

感情知能ゲームは競争形式にすべきですか?

気持ちや共感を公の場で順位づけするのではなく、協力を重視しましょう。点数をつける場合は、もっともらしい説明を複数出すなど、練習の手順に沿ったことに与えます。個人的な打ち明け話に点数をつけたり、推測した感情を誰かの能力の証拠として扱ったりしてはいけません。